こんにちは!
長野県松本市にある、「上位校を目指す進学塾」八木塾の太田です!
本日は、3月7日に行われた、「令和5年度長野県公立高等学校入学者後期選抜学力検査」の国語の分析を行っていきます、よろしくお願いします。
問題の総評・傾向
大問は例年と同じく5問構成。
問題数は昨年24問に対し今年は26問構成※(1),(2)のような()の数と微増しました。
特に、選択肢から選ぶ問題が14問と昨年と比較して多くなっており、さらに最近増えてきている「選択肢の中から二つ選びなさい」や「選択肢から全て選びなさい」という多答式の問題が4問あり、うち3問は完答で得点となっており、全ての選択肢を読み解く力が重要になってきています。
また、今年は記述問題が5問出題されており、うち40字以上の長い記述が3問と、若干忙しい入試となったと思われます。
長野県入試は時間に対し文章量・問題数が多いので、本文や問題文、選択肢の一つ一つを素早く読み解く能力が特に重要です。
大問1 論説文
太刀川英輔さんの「進化思考 生き残るコンセプトを作る「変異と適応」」から出題。
内容は、自然界の共生から、人間の創造性を考えたうえで、人間の共生関係を強固に構築するために何が必要かでした。
問題構成は以下の通り。
(1)漢字の読み (6問、各1点)
(2)文法 品詞 選択問題 (2問、各1点)
(3)要約 書き抜き (2問、各3点)
(4)文章構成 選択問題 (多答式、完答3点)
(5)要約 選択問題 (3問、各2点)
(6)表現 選択問題 (多答式、完答3点)
(7)対比的な説明 記述問題 (70~90字、8点)
計 34点
ポイントとして、
(4)、(6)の選択問題は、「選択肢から二つ選びなさい」の問題で、近年増加している多答式の問題になります。これを解く時には、選択肢を全部読み当てはまるものを選ぶ必要があるため、素早く理解する力が必要です。
(5)の選択問題では、二字・三字熟語の選択肢から本文の内容を踏まえて要約する問題で、語彙力・読解力などが問われる問題でした。
(7)の記述問題は「対比的に説明する」ことが問題で求められており、普段から記述に慣れている子でないとどう文章を書きあげるかイメージが難しかったかと思われます。
対比的に説明するためには、2つの事柄を比較し、「○○に対し、△△である。」といった比較する書き方を理解できていれば、まとめることができるでしょう。
大問2 表現
文化祭での地域貢献活動の発表に向けて話し合いをする場面からの出題。
読み解くための資料が「学級全体で話し合った【発表テーマ】と【発表内容】」、「発表全体の構成を決める話し合いの様子」、「最後の感想の発表方法を決める話し合いの様子」、「これまでの国語の学習内容をまとめたノートの一部」と4つある中での読解問題でした。
問題構成は以下の通り。
(1)発言の意図の読み取り 選択問題 (3点)
(2)共通点の読み取り 選択問題 (3点)
(3)発言の説明 選択問題 (3点)
(4)発言をまとめる 記述問題 (40~50字、6点)
(5)関連するテーマ 選択問題 (3点)
計 18点
ポイントとして
(1)、(2)、(3)など、「表現」の問題ジャンルでは基本的な問題の出題が多かったです。
特に点数を取りやすいところになるので、きちんと練習しておきましょう。
(4)の記述問題は、40~50字と若干長いものの、問題文に「資料の中にある言葉を使って」と指示があるので、見落としが無ければそこまで難しいものではありません。6点問題にもなるので、しっかり正解しておきたいところです。
例年よく出ていた「文章校正」や「敬語」などが今回はありませんでした。また来年度の受験では出てくることも考えられるため、新中3生はこちらも対策しておきましょう。
大問3 漢字
例年同様、誤字を含む一文から誤字を探し、正しい漢字に修正する問題でした。
1問2点×3問の計6点です。
ポイントとして
同音異義語(同じ読みだが感じが違うもの)の書き分けのトレーニングをしましょう。特に新3年生であれば、学校の配布テキスト(新研究や整理と対策、マイペース等)にも同音異義語をまとめたページがあるはずです。それぞれの漢字の意味を理解し、場面にあった単語・熟語を選択できるようにしておきましょう。
大問4 古典
古文の『伊曾保物語』の一節、漢文の『荘子』の一節の書き下し文といった、2つの文章から出題されました。この出題のされ方は令和3年度にも行われており、古文・漢文それぞれから出題ができるため、今後も2つの文からの出題は出ると予想されます。
問題構成は以下の通り。
(1)~(4)は古文から、(5)・(6)は漢文から、(7)は2つの文章からの問題です。
(1)現代仮名遣いへの変換 (2問、各1点)
(2)同義の言葉の書き抜き (2点)
(3)内容理解 選択問題 (2点)
(4)文章理解 選択問題 (多答式2つ、各2点)
(5)漢文の返り点 (3点)
(6)文章要約 記述問題 (20~25字、4点)
(7)二文の文章理解 選択問題 (2点)
計 19点
ポイントとして
(1)、(5)など、基本的な古典問題だけでも5点につながります。古典はニガテ…。という人も、最低限ここは取れるように練習しましょう。
古文『伊曾保物語』は、欧米で親しまれている『イソップ物語』が翻訳されたものです。『イソップ物語』は、擬人化した動物などを主人公に、教訓や風刺を織りこんだ「動物寓話集」で、読みやすい文章でした。
問題構成を見ても自分の言葉で書くような記述問題はありませんでしたので、点数につなげやすかったかなと思います。
漢文『荘子』は紀元前300年ごろ(2300年も前!)の人物で、無為自然(人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせること。)を基本とした思想家です。「胡蝶の夢」といった言葉はもしかしたら聞いたことがあるかもしれませんね。
荘子の思想は独特のものがあるので、読みづらさを感じた方もいたかもしれません。問題も20~25文字の記述でしたので、難しめではあったと思います。
今回のような2つの文章が出題されるときは、2つの文章には共通点があることが非常に多いです。また、読みやすさも差があることがあるので、片方の文章をヒントに、もう片方の文章を読みながら、共通点は何か考えましょう。
大問5 小説文
鈴村ふみさんの「大銀杏がひらくまで」から出題。
問題文は、力士の髷(まげ)を結う床山(とこやま)という仕事の見習いである靖成が、先輩である床芝と会話するところが出題されました。
問題構成は以下の通り。
(1)漢字の書き (2問、各2点)
(2)行書の特徴 選択問題 (2問、各1点)
(3)四字熟語 選択問題 (3点)
(4)表現の語彙 選択問題 (多答式、完答4点)
(5)内容の要約 記述問題 (15~25字、4点)
(6)心情の読み取り 記述問題 (60~80字、6点)
ポイントとして
(2)では、漢字の行書体の特徴が問われました。行書体の出題自体が久しぶりですので、長野県の過去問だけではなく、他県の入試過去問なども用いて練習しておきましょう。
(3)では、本文で出た言葉と同じ意味になる四字熟語を選択肢の中から選ぶ問題も出題されました。四字熟語や慣用句、故事成語などは毎年テストで1~2問出題される問題でもあるので、今から言葉や意味を覚えていきましょう。
(4)では、文中の表現と描写の理解を問う問題が出ました。今年の入試の中では唯一、「選択肢の中からすべて選ぶ」問題で、選択肢一つ一つを吟味する必要があるため、正答率は低かったと思われます。
(5)、(6)ではそれぞれ「印象に残った場面」「登場人物の心情」の記述問題でした。
(5)(6)ともに、本文をまとめられた文章への空欄補充形式となっていましたので、前後のつながりも考えて解答を作成することがとても重要になってきます。
本文や資料を合わせて、場面や心情の移り変わり、きっかけとなる出来事などを読解の際には特に考えましょう。
八木塾講師
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